*いち

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  その席の主の女の子は、面倒くさそうにゆっくりと席を立ち、 「元A、浦和柚希(うらわ ゆずき)です。」 そう、一言だけ言って席に座った。 その後、また流れ作業のように続けられる自己紹介。 俺はそれでも、ずっと右前のその子を見ていた。 もっと正確に言うと、目が離せなかった。 可愛いだとか綺麗だとか、そうゆう点では女の子に興味はないけど、彼女は、あれだ、 明仁に、そっくりだ。 全体的な雰囲気だけど。 こんな子も居るもんなんだなぁ、としみじみ感じながら、さすがに見すぎかと思ってまた机にうつ伏せた。 まぁ、ちょっと新しいクラスが好きになったかも。 今日の帰り明仁にも話してやろーっと。   
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