ビタミン

１

駅のホームで、壁に寄り掛かり俯いていた。

ちらりと電光掲示板を見ると、終電が間もなく到着する事を告げている。

こんなにも電車が来ない事を願うなんて、馬鹿げているだろうか。

でも…。
電車なんか…終電なんか来なければいい。

終電が来たら、嫌でも家に帰らなければ。

帰るのはいいんだ。
本音は早くビール飲んで寝たいんだ。

でも、終電に乗って家に帰ったら、また会社に行く明日が来るじゃないか。

…終電に乗るが乗るまいが明日は来るんだけど。