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―――3日後
和哉は休むことなく職場に来ていた。
病気のことはすでに従業員全員に伝えられていた。
「和哉、これ……」
亜希は一枚の紙を和哉に手渡した。
「何?」
和哉は少しだけ笑みを浮かべ、紙を受け取る。
「洋菓子コンテスト??」
「…うん。和哉の腕なら優勝…とはいかなくてもいいところまでは、いけると思うの……」
亜希は和哉の表情をうかがいながら、一言ずつ言葉を選びながら話した。
「コンテスト…かぁ」
和哉は目を細めて、苦笑いを浮かべた。
開催はちょうど3ヶ月後。
くしくも和哉の余命と一緒。
(挑戦…してみるか……!)
和哉は小さな決意を抱いた。
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