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「課題は創作ケーキかぁ……」
営業時間が終わった厨房で和哉は呟くように言った。
「3ヶ月後…ということは、ちょうどクリスマスシーズンだなぁ。」
和哉はクリスマスケーキを思い描いたが、ひねりがないと頭から消した。
そこに着替えを終えた亜希が厨房に入ってきた。
「どう、課題は決まった?」
「いいや、まだ。
クリスマスが近いから、クリスマスっぽいケーキにしようと思うんだけどね……」
和哉はばつが悪そうに頭を掻いた。
「じゃあ、
『ブッシュドノエル』
にしたら? 和哉得意だし♪」
「そうか…ブッシュドノエル!
いいかもね。」
和哉は手先が器用で独創性もあり、特にブッシュドノエルに関しては、ベテランシェフに勝るとも劣らないほどの技量をもっていた。
「じゃあ早速、試作品でも作ってみようか。」
和哉は業務用冷蔵庫の中から卵とチョコレート、そしてイチゴを取り出した――
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