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―――真夜中の厨房 ほとんどの蛍光灯が消え、和哉が作業している台の上だけがよわよわしい光で照らされている。 「できたぁ~~!」 和哉は完成したブッシュドノエルを前に小さくガッツポーズをした。 時計を見ると午前3時を過ぎていた。 「ほう…、どれどれ♪」 「うわぁ、美味しそ~」 オーナーと亜希。 「あ! オーナー! それに亜希! まだいたんですか?」 和哉は驚いた表情で2人を見つめる。 「さっそく、試食させてもらおうかな?」 「あ、私も!」 和哉は使い捨てまな板を皿代わりにして、ブッシュドノエルを切り分けた。 「ん! これは美味い!」 「ホント! 超美味しい~! 口の中でふわぁって溶ける~!」 2人は和哉のブッシュドノエルに称賛の声をあげた。 「…どう、でしょうか?」 和哉はオーナーの顔を伺う。 「店に出せるレベルだ。 というか目玉商材にしたいくらいだよ。」 オーナーは和哉の肩を強く叩いて、笑みを浮かべた。 和哉は安堵の表情を浮かべるとぐったりと倒れ込んだ――
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