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和哉は手早く下準備を済ませると、予熱させておくためオーブンに火をいれた。
メレンゲを作り、泡が消えないように生地に混ぜる。
220度に予熱したオーブンに生地をいれ、触ってみて弾力がでるまで焼き上げる。
焼き上がった生地は会場の端にある業務用冷蔵庫に入れ、あら熱をとる。
―ここまでは普通のブッシュドノエルと作り方はさほど変わらない。
和哉の“とっておき”はここからだ。
栗をすり鉢でペーストにして、生クリームと混ぜ合わせる。
“モンブラン”の要領だ。
あら熱をとった生地の真ん中にたっぷりのクリームを載せ、くるりと優しく巻く。
これで、“シュークリーム”のような、ふうわりとした触感になる。
最後に栗のペーストを全体に塗り、パレットナイフで木の幹のような質感を出し、完成。
和哉は全てを出し切った――
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