呼吸

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変わらないものがあるなら変わるものもある。 変化はいつも僕たちの回りに漂っている。 僕たちは毎日それを吸い込んで生きている。 「呼吸をすることは変化を知らず知らずのうちに求めて受け入れるということね。」 と高校生の頃にクラスの女の子が道徳の授業の合間に僕に言った。 先生はいつも少し変わった話し方をした。 でも覚えているのはその女の子の言ったその言葉だけだった。 僕は思う。 そんなことを繰り返して僕たちはいったいなにになろうとしているんだろう。 微笑みかけると赤くなったあの女の子は今どこで何をしているんだろう。 呼吸が変化なら深呼吸は大きな変化なのだろう。 これは、僕が大きな大きな深呼吸をした話。 ゆっくりと深く、肺いっぱいに空気を吸って、それを時間をかけてゆっくりとはく。 そういう話だ。
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