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ともあれ、しょうがなく教室の外で待っておく。
いや待てよ?
外で待ってろとは言ったが、廊下とは限らないんじゃないのか?
そう思って、俺は全速力で駆けだす!
階段を上り、一つの扉を開けて屋上までやってきた。
そこでみたのは…儚げにたたずむ美少女の姿―――
なんてものは当然無いわけで、俺は教室の窓から侵入するという企みのもと、柵をまたいで持っていたロープをたらす。
「我ながら名案である」
そんなことを口走りながら消防士のようにロープを体に巻き付け、ゆっくりと下に降りていく。
けれど、意外と高さがあることにびびり、怖くなって自分の教室の窓に張り付いてみた。
「キャアァァァァアア!!!」
すると、途端に教室の女子の何人かが悲鳴をあげる。
窓が閉まっているというのに、俺の耳にも鮮明に届く程の叫びである。
そして、ほどなくして大木先生が窓を開けて俺の襟元を掴み上げた。
「何をしとるんだバカモノオォォォォオオオ!!!」
「いや、窓が開いているという推測が外れまして…
意外と高さがあって怖くなったんで教室の窓に入ろうとしたら、こうなってました」
ガツン!!
俺の言い分を聞き終わるや否や、脳天に響き渡るほどの鉄槌をくらう。
「お前は本当になんなんだ…。
もういい、大人しく席にすわっとれい!」
「OK牧場」
先生の魔の手から解放された俺は、駆け足で自分の席(真ん中の一番後ろ)に着席する。
「ふぅ…では、切り替えて今後の今日の予定を説明する…」
一気に疲れたような表情を見せる大木先生。
誰だこんなに疲れさせた奴は!
ほかならぬ俺であるが、若気のいたりであるため許してもらおうと勝手に思った。。
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