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【光式輝きの発芽】
レン「こ、これはあの時の!」
フウン「まぁまぁ目眩ましですか。チキン野郎ですね、がっかりです」
レンは腕で、フウンは短刀とは逆の手に持った扇子でそれぞれ目を覆う。
光はすぐに収まったが、やはりアルドルフは目の前から消えていた。
レン「くそっ、どこに……?」
フウン「そこらの木の陰でしょう。いいですかガリクソン、傀儡魔術はとても長い呪文詠唱を要します。こうして物陰に隠れたりしなければ、おいそれと発動する事もできません」
フウンはそう言うと左手の扇子を頭上に掲げ、何やら小さく呟いた。
すると扇子がポンという音と共に深紅の炎に包まれる。
フウン「だったら隠れる場所を潰すのみ。伏せなさいガリクソン」
【炎式儚き炎】
レンが伏せる間も無く、扇子の炎が急激に半径2m程の火球に膨張し、破裂した。
破裂した破片は幾百の小さなトンボを思わせる炎となり、まるで意思を持っているかのように飛び回り、木々を焼き尽くしていく。
そして僅か数分で、フウンらの周辺は野球場ほどの真っ平らな焼け野原となってしまった。
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