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炎。
王国に最も近い為、世界で最も繁栄し、拡大された村カナタは、僅か数時間にして炎に包まれていた。
突然攻め入ってきた異形の軍団。
剛力を持ち、魔術を放つ彼らに非力な人間が敵う筈も無く、村は一瞬にして魔物に蹂躙された。
一面の炎により紅い鎧を更に紅く光らせたベリト公爵は、抵抗を続ける少数の人間たちを斬り捨てながら、王国の方向を見据えた。
ベリト「……騎士団が来ると……思っていたが……。何事も無しに……終わってしまった……。ゲホッ、王国は……お前たちを……見捨てたな……」
「そんな馬鹿な事がッ!」
一人の男が、焼けた棒を掴んで殴り掛かってきた。
動きの遅い公爵にそれを避ける術は無く、棒は鈍い音と共に公爵の頭を捉える。
しかし公爵は何事も無かったかのように男の腕を斬り落とし、その首を掴んで持ち上げた。
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