-・第2幕・-

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突然、背筋がゾワッとする様な、全身が粟立つ様な…… そんな寒気が私の身体を駆け巡ったのです。 その感覚は、私が幼い頃より何度も体験し、嫌という程感じ取ってきた合図……。 一人の世界に入り込んでいた私は、それを切っ掛けに現実へと引き戻される事になりました。 『夢』の世界から、急にいつもの『日常』に引き戻された様な、そんな軽い喪失感を抱きながらも、私は周りに意識を向けました。 しかし、目に映る物は綺麗な景色と、遠くには忙しなく走り去る車ばかり。 人影は愚か、『何か』の気配すら感じはしなかったのです。 ……じゃあ、何故急に寒気が? 私は、少し気味が悪くなり、その場を急ぐ様に離れようとしました。  
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