シュレディンガーの僕

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 さっきまでとんでもないやつらだと思っていたが、来たことによって未来はまた不確定になった。良い意味で一寸先は闇、足元が見えなくなったのだ。これほど嬉しいことはそうないだろう、だってこんな体験は限られた人しかしたことがないはずだから。   「とりあえずなんだ、僕らナイスアシストだったわけだ。なあ」 「うん、ルートが違うならば恋人になる可能性だって十分にあるからね」 「ははっ、どうもありがとう! これで僕はわからなくなったぞ!」    完全に浮かれ始めていた。自分でも自覚できる程にどんどんテンションが上がっていって、周りの景色がどんどんとかすみだしていく。そこに居たはずの二人も例外ではなく、視界から消えていった。お前たちとは違う、そう、あなたとは違うんです。そうやって指差して笑ってやりたい気持ちになった。   「でもなんだ、こいつちょっと」 「君も思ったようで」 「ちょっと一発」 「合わせて二発」
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