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「悪いことは言わない。今日は遊ぶだけにして告白は止めろ。色々と妄想してきたけれど、それのどれもが行われることはない。もちろん大人の階段ものぼれない」
何とも僕のためを思ってという雰囲気を出してはいるが、それが気に食わない。なんでこいつはわざわざこんなひどいことを言いにこんな世界を飛び越えてまで来てしまったんだ。
「怒りたい気持ちはよくわかる。けど、僕は僕にこんな思いをして欲しくないんだ。あれはもう辛いもので、二週間近く喉にご飯が通らなかった」
「そんなことないだろ」
「大げさなんかじゃない、ホントだ。僕はそれほどに気持ちを込めていたし、何だか妙に成功しそうに思っていた。だけどどうだ、実際にこうしてみると保留もされることなくあっさりと断られて、挙句の果てにこれからも友達でいようなんて優しい刃物で刺されて。それに――」
「うるさいうるさい!彼女の悪口を言うな!」
「ご、ごめん。だけど……これでも告白する?」
「うっ」
そこで僕は威風堂々「する」と答えることは出来なかった。ちょっと考えてからでも出せず、ただ俯いてしまってどうも。
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