シュレディンガーの僕

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「わかってくれると思った。だって僕だから」 「で、でも、僕は……」 「もっと良い娘居るって。だって生きてるんだから、絶対会える」 「でも君まだ童貞だろ」 「君もだろ!」 「僕は振られることは確定しているにしても、それからはわからないからね」 「無理だ、だって僕だもん」 「……説得力ございますね」    そんな完全に落ちてしまった部屋の空気をひしひしと感じつつ、まだ帰らないした僕と適当に話していた。すればするほど彼は自分自身なのだということを痛感させられるので、なんとも嫌な気分だった。    上手に積み上げていた積木は崩されて、いやそもそも積み上げられていなかった。そんな気分になっていただけで、何もなかった。きっと周りはそんな僕を見てノータリンだと何だと笑っていただろう。悔しい気分は不思議となかったが、悲しさが流れてきて、目がサウナのような暑さを感じた。   「それじゃあ、僕は帰るよ。ごめんな」
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