《日常》

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「うわっ、アレ見てよ」 突然、あきのが話題を変え、あたしたちに目で‘アレ’を示した。 「うわ、長芋がなんでこっち指さしてんの…キモッ」 そう言っている苓はさておき、 ‘長芋’とは長田のニックネーム(?)のようなもので、あたしたちで勝手にそう呼んでいる。 あたしもそれを見た。 えっ、横に青山くんいるじゃんっ// そういえば、最近長芋と仲良いもんね。 あたしは青山くんを見た。 すると、青山くんもあたしを見た。 目が、合った。 目が合ったよっ// あたしは青山くんから目を離さなかった。 この時間が永遠に続けばいいのに……… でも、そんなはずもなく 青山くんはすぐに目を反らしてしまった。 はぁ、青山くん… あたしのこと、嫌いなの? 教室から出て行く青山くんの背中を あたしはじっと見つめた。 想いよ、届け ってテレパシーを送って。 .
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