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「何か、秘密基地みたいですね……」
「みたい、なんじゃくてそうなんだけどなwwwすげーだろ?」
「はぁ、まぁ……」
永遠に続くのではないかと錯覚させられるほど長い階段を下りながら、僕は思う。
何故、僕はこの場にいるのだろうと。
勢いに流され、連れて来られてしまったが、翌々考えてみれば僕は何一つ現状を把握出来ていない。
ここが何処かもわからなければ、坂無御言と言う人間が何者なのかさえも、わかってはいない。
着いていっても大丈夫なのだろうか、ふとそんな不安が頭を過ぎった。
「……そんなに怖い顔すんなよ、藍原。身構えなくても大丈夫だって、別に悪いようにはしねぇからさ」
顔に出ていたのだろうか、不意に振り返った坂無さんがそんなことを言ってみせる。
「はぁ……」
と、頷きながらもやはり不安は拭えない。
そんな僕の心情を察したのか、坂無さんは軽く微笑むと僕の手を握った。
「大丈夫、皆良い奴だから。仮に誰かがお前を傷つけようとしたなら、俺が守ってやるからよ。だから、心配すんな、な?」
「え、あ、はい……」
既視感。
坂無さんの顔に誰かの面影が被る。
『俺が守ってやるから心配すんなよ、奏輔』
「っ!」
ざらついた、不明瞭な映像がフラッシュバックする。
今のはいったい……。
「……ん?どうかしたか、藍原」
「いや……何でもないです」
「変な奴だな、お前www」
お前には言われたくないわwww
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