四畳半ニート神話

12/17
前へ
/166ページ
次へ
「坂無、私は彼をここに連れてくる前に事情を説明しておいてくれとお願いしたはずだが?」 「うっせーな仕方ないだろ、説明しようと思ったけど面倒になっちまったんだよ」 いったいそれの何処が仕方ないというのだろうwww 仕方なさなんて微塵もねぇよwww お前一回国語辞典で仕方ないの意味調べて来いwww 「……まぁ、今更それについてどうこう言っても仕方ないから、私から改めて説明することにするよ。坂無に任せた私にも非があるしね」 「どういう意味だよ石井www」 「そのままの意味じゃないの?www」 「お前は黙ってろwwww」 「ガンジーwwww」 痛いwwwいきなり右ストレートとかwww何考えてるのこの人www 世界が歪んで見えたんだけど。 「さて、藍原君。突然だけど君はDQNと言う物についてどれほどの知識があるかな?知っている範囲でかまわないから、説明してみてくれないか?」 と、和仁さん。 「DQN、ですか……それってあれですよね、不良と言うかなんと言うか、オタクと正反対の位置にいる人達のことですよね……?」 確か、そういう意味のネットスラングだったよな。 僕が知ってるのはそのくらいだけど、そのDQNがどうかしたんだろうか。 「うん、そうだね。一般的な解釈では確かにそうなる、でもね藍原君。私達が定義するところのDQNとはそれと似て非なるモノなんだよ」 「と、言いますと?」 「言葉で説明するより見てもらった方が早いかもしれないな。藍原君、ちょっとこれを見てくれ」 和仁さんが手元で何かを軽く操作すると、彼の背後にあった馬鹿デカイサイズのスクリーンに光が灯った。 そこに映し出されたのは、日本刀を握り締めた坂無さんと見るからに頭の悪そうなDQN数人だ。 これがいったい何だというんだろうか。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

177人が本棚に入れています
本棚に追加