四畳半ニート神話

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「で、どちら様なんですか?」 彼女とは反対側の位置に腰掛け、改めて問う。 すると彼女は、熱いはずのお茶を冷たいものでも飲むかのように一息で飲み干し、それから口を開いた。 「俺の名前は坂無御言、見ての通り美少女だ」 自分で美少女とか言わないだろ普通wwwなんだこいつwww まぁ、その通りだから言い返せないんだけどさ。 「その坂無さんとやらが、どうしてここに?」 今度は理由を問うと、坂無さんは眉根を寄せ、うぬぬと唸り、わずかな間を置いてから口を開く。 「お前を迎えに来た、とでも言えばいいのか……いや、まぁ正確には保護になるわけだが。まぁ、なんだ、そのだな、とにかく俺と一緒に来て欲しいんだ、お前に」 「と、言いますと?」 何だか要領を得ない彼女の言葉に首を傾げれば、坂無さんはあからさまに嫌そうな顔をして言葉を返してくる。 「今言ったとおりだよ、とにかく俺と一緒に来い。死にたくなければな」 死にたくなければ? 「それっていったい――――」 と、言いかけたところで。 坂無さんがちゃぶ台をひっくり返しながら立ち上がり、僕の手を荒々しく掴んだ。 「ごちゃごちゃ言ってねぇで一緒に来いって言ってんだろうがこのボケナスがぁ!俺は説明するのが苦手なんだよ察しろwww」 「ちょっwwwんな無茶なってあぁぁぁぁwwww」 そして、彼女はそのまま走り出す。 僕は半袖半ズボンのまま、何一つとして事情などわからないままで、冬の町へと引っ張り出された。
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