鬼桃太郎

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しばらくして、芝刈りを終えたおじいさんが、山から帰ってきました。 チャブ台の上いっぱいに置かれている桃を見て、おじいさんはビックリです。 「こんな大きな桃、見たことがない! ばあさんや、一体、どこで採ってきたんだね?」 「流れてきたんですよ! 川から!」 「川から? ほほう……。 ばあさんや、鬼が来ない内に 2人で食べてしまおう」 おじいさんはそう言うと、チャブ台の前に座りました。 「そうですね、おじいさん。 鬼が来ない内に……」 おばあさんはそう言うと、包丁を取り出して桃を切ろうとしました。 その時、ドンドンドンドン!!! 家の戸を、誰かが叩きました。 「ば、ばあさんや! 早く桃を隠さないと!!」 おじいさんは言いましたが、狭い家には大きな桃を隠せるほどの場所がありません。 ドンドンドンドン!!!!! 誰かは、さっきよりも強く戸を叩いてきます。
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