健気か真面目か萌えますか

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「失礼します」 扉をノックし、父のいる部屋に入るメリル。そこには、PSPをしかめっ面でプレイしている藍色のオールバックで茶色いスーツのちょいダンディなオジサンがいた。 「あっくそ!アシストうざいってば!仕返しに針千本くらえ!!…………あ、メリルちゃん。いつの間にいたの?」 「……今度は何のゲーム買ったんですか?」 「ディシディア。デュオディスムの方ね。中古で安かったからさ、買っちゃった」 「お母様に報告しておきますね」 「あ、待って!?無駄遣いの枠は越えてないから!笑顔が怖いよメリルちゃん!!」 愛らしい笑顔で部屋から立ち去ろうとするメリルを必死に制止するこの男、ユッツ・アシュクロフトは、とにかくゲーム好き。しかしプレイするゲームはアクション、RPG、ホラーの三種類がほとんどである。 そんな彼が、こんなスゴイ一家の主。メリルを含め、屋敷の人間全員が首を傾げるアシュクロフト家謎現象の一つである。 「まったく……いい年して、ゲームばっかりして」 「父さんはまだ遊びたいんだ……っと、そうだ。お前を呼んだのはギルガメッシュのEXバーストを連続で成功させたからじゃないんだ」 呆れ顔で腕を組むメリルに苦笑を浮かべるユッツは、思い出したとばかりにPSPの電源をホールドに合わせて机の上に置き、その前に立つ。
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