怖い女

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怖い女・上巻【第一章…翔子との出逢い】 外は小雨が降っている、春三月といえども夜はまだまだ寒い、冬寒くて夏暑いのが盆地特有の季節柄だ シャワーに入って、又ベッドに横たわった、パーラメントに火を付ける、紫がかった煙が天井のシャンデリアに絡みつく様に、まるで小春日和の空に浮かんでいる雲の様にも見える 翔子が、俺の手をそっと握った、柔らかい小さな手だった 「ネエ、社長さん、何を考えてるんですか」 「ウウン」 「奥さんの事か、それとも彼女さんの事を考えてるんですか」 「いや違う、お前の事だ」 「又、上手いこと言って、無理しなくても良いのよ、でもそんな社長さんを私は好きよ」 「ありがとう」 私は、この社長さんが本当に好きだった、私のテリトリーまで足を踏み込んでは来ず、こんな関係に成っても、過去にふれ様ともしない… 普通、男ってのは、付き合い出すとすぐに、元彼の事やら友達の事、それに家族の事何んかやたらと聴きたがるけど、この社長さんたら私に興味が有るのか、何んなのか、そんな事には一切触れては来ない…それだけ遊び馴れているのかな
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