121人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
そうだ。
そうだ。
そうだそうだそうだ。
ぼくは殺されたんだ。
頭がひどく重たくて、呼吸している実感がないのに苦しい。意識が遠退いていく瞬間の感覚が蘇る。ぼくはこのまま永遠にたゆたい続けるのか。それとも消えてしまうのか、嫌だまだ消えたくない。
(誰か、誰か――)
必死に叫ぼうとするが喉からは息ひとつ漏れてくれない。絶望に目を見開いた直後、身体が微かにぶれ、泥状になった闇に突然両足がずぶりと沈んだ。
最初のコメントを投稿しよう!