読書サークルの掟

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「いないじゃん。珠理ちゃんの嘘つき」 上がる息を整えて部室のドアを開けると、そこには人っこ一人いなかった。 直前までの緊張が解けて、側にある椅子にどかりと座り込む。 そのままどうしようかと考えていると、部室の奥の扉が開いた。 キーとドアの軋む音と共に、人影が出てくる。 「あっ、あなた前の」 そこから現れたのは間違いなく彼女だった。 彼女の手には、湯気の立ったポットと可愛らしいティーカップが乗ったお盆が握られていた。
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