第二問 『弁当と協力要請』

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「ふぅ、これでよし」 「危機は去ったか」 「・・・お主ら、存外鬼畜じゃな」 秀吉ェ・・・雄二は犠牲になったのだ弁当の犠牲にな・・・ 「ごめん、見間違いだったよ」 「そうだったんですか」 それにしてもこんな古典的な手にひっかかるとは姫路は純粋だよな。 「お弁当おいしかったよ。ご馳走様」 「うむ、大変良い腕じゃ」 「ああ、旨かったよ」 明久、秀吉、俺はそれぞれ感想を言う。 「雄二が『美味しい美味しい』って凄い勢いで食べちゃって」 「そうですかー、嬉しいですっ」 「いやいや、こちらこそありがとう。ね、雄二?」 「・・・・・・うぅ・・・あ、ありがとな。姫路・・・」 やばい、あれ目がうつろってないか? 「そうだ、美味しいといえば駅前に新しい喫茶店がーー」 話題をずらしとかないとまた作ってくるとかいいだしそうだしな、ナイスだ明久。 「ああ、あの店じゃな。確かに評判が良いな」 「え?そんなお店あるんですか?」 「うん。今度今日のお礼に雄二がおごってくるってさ」 「てめ、勝手なこと言うなっての」 こうして雄二という尊い犠牲を払ってこのお弁当始末作戦は無事完了したかに思えた・・・ 「あ、そうでした」 「ん?どうかしたか?」 「実はですね ーーデザートもあるです」 「ああっ!姫路さんアレなんだ!?」 (明久!裕介!次は俺でもきっと死ぬ!) 雄二が必死の抵抗をしてくる。 まぁ、命がかかってるんだから当たり前なんだろうが。 (雄二!自分を信じろまだ行けるって!) (そうだよ、こんな任務雄二にしかできない!ここは任せたぜっ!) (バカ言うな!そんな少年漫画みたいなこと笑顔で言われてもできないものはできん!) (・・・ワシがいこう) (秀吉!?無茶だよ、死んじゃうよ!) (そうだよ、考え直そう。まだ雄二も生きてることだし!) (俺のことは気にかけないのか!?) そりゃそうだ、見た目が美少女な秀吉のほうが雄二より重要度が高いに決まってる。きっと明久も同じようなことを考えてるに違いない。 (大丈夫じゃ。ワシの胃袋はかなりの強度を誇る。せいぜい消化不良程度じゃろう) だが・・・ (秀吉!ならここは俺と協力して処理しよう!) 俺に美少女を犠牲にするなんてできない。それに美少女と協力プレイとか熱いよね。 「どうかしましたか?」 「あ、いや!なんでもない!」 「あ、もしかして」 姫路が表情を曇らせる。
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