第四問 『A』

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「明久、裕介、随分と思い切った行動に出たのう」 終戦後、Bクラスにやってきた秀吉に、最初にそんなことを言われた。 「うぅ・・・。痛いよう、痛いよう・・・」 「たしかにこれはかなり痛い・・・」 とにかく手が痛い、100%全てが返るわけじゃないとは言え、素手で鉄筋コンクリートの壁を壊したんだから、その痛みは並じゃない。 「なんとも・・・明久らしい作戦じゃったな」 「で、でしょ?もっと褒めていいと思うよ?」 「後のことを何も考えず、自分の立場を追い詰める、男気溢れるすばらしい作戦じゃな」 「・・・遠まわしにバカって言ってない?」 さすがの明久でも気づくか 「ああ、本当にまっすぐなバカだよ。おまえは」 俺は笑いながら明久にそう言う。 「ま、それが明久の強みだからな」 さらに、雄二がバンバン明久の肩を叩く。 「さて、それじゃ嬉し恥ずかし戦後対談といくか。な、負け組み代表?」 「・・・」 真っ白になり床に座り込んでいる根本。さっきまでの威勢はどこいった? 「本来なら設備を明け渡してもらい、お前らには素敵なちゃぶ台をプレゼントするところだが、特別に免除してやらんでもない」 え? 周囲も皆騒ぎ始める。 「落ち着け、皆前にも言ったが、俺達の目標はAクラスだーー」 ひょ? Aクラス? え? なにいってんだ? いやいや、Aクラスだと? いやいや、Cクラスの聞き間違いか? いやいや、それならBクラスのほうが設備いいから意味ないだろ。 ならAカップっていったのか? 雄二は貧乳が好きだったのか? いや、『貧乳はステータスだ希少価値だ』って言葉はあるがこのBクラスの設備交換しないのと関係あるか? ・・・ないな なら本当にAクラスなのか? 雄二はAクラスの危険さがわかってないのか? Aクラスは俺にとってはデッドマン・ワンダーランドだよ! 子守唄がきこえてくるよ! ああ、どうやって避けよう・・・ 絶対俺参加させられるよな? 学校をさぼるのは・・・ 駄目だな後どうなるかわかったもんじゃない! はぁ・・・ 俺があのくそババアにバレなければ いろいろばれたのが運のつきだったよ。 どうしよう・・・
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