第八問 『恐怖の鬼ごっこ』

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・・・ 俺は今とても危機に陥っていて廊下を全力疾走中だ。 走ってるわけは、 「ゆうくぅーん?ちょっとお話ししましょう!」 ここで走るのをやめたら俺はどうなるかわからない。 だって 両手にスタンガンとか・・・ 「じゃあ、その手に持っているスタンガンを捨てなさい!そしたら対話に応じるから!」 「・・・」 くそっ!無言の否定か! 俺がこうなったのは十数分前にさかのぼる必要がある。 ・・・ 「あー、学際とかだるいなー」 俺はそうぼやきながら廊下を歩いた。 そうすると目の前を可愛い娘が横切っていった。 色の薄い髪をショートカットにしたボーイッシュな感じの娘だ。 会ったことないな。 これはギャルゲーとかだとエンカウントしたことになるのか? ・・・てことは攻略対象ってことかな? そんなことを考えながら俺は話しかけてみた。 「ねぇねぇ、君可愛いね。どこのクラス?」 俺のセリフ、まるで町にいるDQNだよ・・・ 「え?学校でナンパ?君おもしろいね」 お?まさかの好感触か? 「うーん、そんなとこかな?それにこんなに可愛いのに俺が見覚えがないなんて不思議だったから」 「可愛いとはうれしいこと言ってくれるな。これはお礼だよっ」 そういってスカートをチラッっとめくってくる。 「グハァッ」 俺は100ダメージを受けた。 鼻から血が垂れてくるのがわかる。 「あはは、ナンパしてくるわりには純粋なんだねぇ」 くっ、こんな返しがくるとは思ってなかった・・・! 「そんな返しがくるなんて普通思わないだろ!予想外には弱いんだよ俺は!」 血を拭いながら必死に反論する。 「へぇー、ますますおもしろいね。僕の名前は工藤 愛子(くどう あいこ)だよ。よろしくね」 「俺の名前は不知火裕介だ。こちらこそよろしく」 工藤さんがなんか驚いた顔をしている。 「どうかしたのか?」
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