第八問 『恐怖の鬼ごっこ』

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「君があの不知火君か。ふむふむ」 俺の顔を値踏みしてくるかのように見てくる。 どうかしたのだろうか? 「そういえばね。僕のクラスはAクラスだよ。見たことなかったのは1年の最後に転校してきたからかな?」 「ああ、それでか。それにしてもAクラスかー、すごいな」 「それにしても、ちょっと前にFクラスとAクラスの試召戦争の一騎打ちで僕戦ったんだけどなぁ」 「あ、ごめん。それ寝てたわ」 てか、俺がFクラスとか言ったっけ? 「な・・・、随分マイペースなんだね」 そう工藤さんと会話を楽しんでいると、 「あー、ゆう君だー」 やっかいなイベントがエンカウントした。 「あ、友里、今ねーーむぐっ」 俺は工藤さんの口を手でふさぐ。 危ない・・・本当に危なかった。 工藤さんは今何をしてたって言おうとしただろうか、 十中八九、俺にナンパされたって言うだろう。 クラスメイトをナンパしてた? 駄目だ、それはいろいろと命が危機にさらされる気がする。 「ゆう君はなにしてるの?」 「いやいや、なんでもない。なんでもないよ」 俺は小声で工藤さんに相談をもちかける。 (工藤さん、俺がナンパしたとか言わないでくださいよ) (うーん、どうしようかな) (ホントにお願いしますよ) (わかったよ) 以外に素直だったな (ありがとうございます) 「愛子ちゃん?ゆう君はなにをしてたんですか?」 俺は工藤さんの口から手をのける。 「それはね、僕をナンパしてたんだよ」 !? 「え・・・?工藤さん?なにを言ってるの・・・?」 工藤さんはまさかの普通に裏切ってきた。 「ごめーん、このほうがおもしろそうになりそうだったから」 笑いながら工藤さんがいいわけしてくる。 しかし、これは笑い事になっていない。 この人悪魔だ・・・ 「ゆう君?ちょっとお話があるんだけど」 友里は真っ黒なオーラを纏いだした。 オーラを纏うとかこいつは何者だよ! 「嫌だ!俺は話すことなんてないよ、さらばだ!」 俺は駆け出した。 ーーとういことがあったわけだ。
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