第八問 『恐怖の鬼ごっこ』

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・・・ 俺らは空き教室に隠れていた。 「おい、俺は結婚なんてまだする気ないぞ」 「俺だって新婚旅行なんて行く予定ないんだが?」 俺たちは睨みあう。が、お互いすぐにその無意味さに気づいてやめる。 「しかし裕介、どうする?」 「どうするもなにも、とりあえずは俺らの鞄確保しとくか?」 「そうだな、明久に頼んでみるか」 Prrrr ちょうど雄二の携帯がなる。 『あ、雄二、ちょっと話が』 「明久か。悪いが俺の鞄を後で届けにーーげっ、翔子!」 「おい、明久俺の鞄も頼む!」 『え?2人ともなにしてるの?』 「恐怖の鬼ごっこだよ!」 「そういうことだ、とにかく鞄たのんだぞ!」 俺らは空き教室を後にした。 「おい、雄二逃げるのはいいがあてはあるのか?」 走りながら俺は雄二に問いかける。 「ああ、俺について来てくれ」 こういうときの雄二は頼もしいなぁ。 ・・・ 「まさか雄二のあてが女子更衣室だとわな・・・」 そう・・・雄二がいってたあては女子更衣室だった。 「しょうがないだろ?背は腹に変えられん」 まぁ、その通りだな。 ちょっと休憩してると、 ガチャ 明久が入ってきた。 「やぁ。2人とも奇遇だね」 「・・・どういう偶然があれば女子更衣室で鉢合わせするのか教えてくれ」 雄二の言う通りだよ。 「おまえはよくここに来てるのか?覗き魔か?」 「違うよっ!それに裕介だって今ここに来てるから同類だよ!」 くっ!バカのくせして・・・! ガチャ 「今度は誰だよ・・・」 と俺は疑問を口にするが、 入いってきたのは体操服を着た女子だった。 そうだよね、ここ女子更衣室だったよね。 普通は女子が来るよな。 明久が異常だったんだ。
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