第八問 『恐怖の鬼ごっこ』

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「えーっと・・・あれ?Fクラスの問題児コンビと誰?ここ、女子更衣室だよね?」 うん、その通りだよ。 「やぁ、木下優子さん。奇遇だね」 「秀吉の姉さんか。奇遇じゃないか」 2人とも奇遇とか言ってる場合じゃないぞ・・・! 「先生!覗きです!変態です!」 「逃げるぞ!」 「あたりまえだ!」 「了解っ!」 更衣室の小さな窓から俺たちは表に飛び出す。 『吉井と坂本だと!?またアイツらかっ!』 俺は認知されてないみたいだ、ラッキー 知られる前に隠れておくかね。 「鉄人!裕介もいるぞ!」 もう遅いわ!俺は隠れたよ! 「どこにいるというんだ!他人を巻き込むなんてさらに指導が必要みたいだな!」 「くそっ!裕介覚えておけよ!」 「雄二、マズい!鉄人が来るよ!」 「とにかく走れ!」 そういって3人の足音は離れていった。 ふぅ・・・やり過ごしたか・・・ 「で?あなたは誰?ここでなにをしようと思ってたのかな?」 隠れ場所からでた瞬間に秀吉の姉さんが問いかけてくる。これは安易な答えは死に直結しそうだ。 「あはは、ひどいなぁ不知火裕介だよ。ちょっと鬼から普通に逃げてたんだよ」 「あなたは女子更衣室に逃げるのが普通なの?」 「・・・」 「・・・」 沈黙が痛い 「まぁ、いいわ。次はないと思っておきなさい」 「ありがとう、秀吉の姉さん!」 「秀吉の姉さんって・・・私には優子って名前があるの。あなたには1回言ったはずなんだけど?」 ちょっと怒ってるみたいだ。 うーん、木下さんじゃ秀吉と混合するから・・・ 「ありがとうございました、優子さん」 形だけ俺は誠意をこめてお礼を言い直す。 優子さんが更衣室に戻って行ったのを見送り、俺はとりあえずゆっくり周りを警戒しながら教室に向かった。
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