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「? お前らが何言ってるのかわからんが・・・。ふむふむ。表面はゴリゴリであり中はネバネバ。甘すぎず、辛すぎる味わいがとってもーーんゴパっ」
あ、なんかデジャブ
「あー、雄二。とっても美味しかったよね?」
あの反応でおしかったとはまったくもって思えないけどな。
「ふっ。何の問題も無い」
床に突っ伏したまま雄二が返事をする。
まさか、大丈夫なのか・・・?
「あの川を渡ればいいんだろう?」
どうやらあんまり大丈夫じゃないみたいだな。
「ゆ、雄二!その川はダメだ!渡ったら戻れなくなっちゃう!」
明久が必死に呼び止てる。それにしてもあの雄二を一口で致命傷を負わすなんて姫路の料理はバイオ兵器か?
「え?あれ?坂本君はどうかしたんですか?」
夢見心地になっていた姫路が、ようやくこっちの様子に気が付いたみたいだ。
「あ、ホントだ。坂本、大丈夫?」
島田も戻ってきたか。
「大丈夫だよ、ちょっと足が攣っただけみたいだから。おーい、ゆーじー、おきろー」
明久がおどけた口調で雄二を起こす仕草をしてるが手は必死に心臓マッサージをしてる。こうなると生死は5分5分ってとこか・・・?
「ゆーじー、大丈夫かー?」
俺も一応声をかけてみる。
「六万だと?バカを言え。普通渡し賃は六文と相場が決まってーーはっ!?」
よかった、明久の蘇生が成功したか。尊い命がまた1つ救われたみたいだな。
「雄二、足が攣ったんだよね?」
雄二がなにか言い出す前に明久が畳み掛ける。
「足が攣った?バカを言うな!あれは明らかに団子のーー」
(・・・もう1つ食わせるぞ)
明久が小声で雄二を脅した。
「足が攣ったんだ。運動不足だからな」
この脅しはそうとう有効だったみたいだな。
「ふーん。坂本ってよく足が攣るのね?」
島田がこの状況を怪しんでる。
足が攣ったは2度目だったからな、ちょっときつかったか?
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