第十問 『サボタージュ』

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あれ?姫路の転校阻止が目的じゃなかったのか・・・? なぜ明久は色々と言ってるんだ? 他に目的ができたのか? 姫路に隠しておきたいのか? 優勝商品がすごいとか? 「もしかして、賞品が目的とか・・・?」 島田は賞品を知ってるみたいだが、 「なぁ、賞品ってなんなんだ?」 俺は知らなかったのできいてみる。 「おまえは賞品を知らずに出ようとしてるのか。優勝者には『白金の腕輪』、副賞に『如月ハイランド プレーオープンプレミアムペアチケット』とあと賞状、トロフィーだ」 雄二が丁寧に教えてくれる。 わりとどうでもいい商品だな。賞金がよかった。 「うーん。一応賞品が目的だね」 「・・・誰と行くつもり?」 島田の中には明久たちの目的が『白金の腕輪』ってのは論外みたいだな 「ほぇ?」 「吉井君、私も知りたいです。誰と行こうと思っていたんですか?」 「だ、誰と行くって言われても・・・」 ん?否定しない? そして答えにくい相手・・・? 「明久は俺と行くつもりなんだ」 な・・・、明久は新しい扉を開けたというのか・・・! 「俺は何度も断っているんだがな」 おいおい、本気かよ・・・ 「アキ。アンタやっぱり、木下よりも坂本のほうが・・・」 「ちょっと待って!その『やっぱり』って言葉は凄く引っかかる!それと秀吉!少しでも寂しそうな表情をしないでよ!」 「吉井君。男の子なんですから、できれば女の子に興味を持った方が・・・」 「俺にそっちの気はないからな!」 俺は明久に一応忠告しておく。 雄二がダメなら俺とかなったら嫌だからな! 「それができれば明久だって苦労しないさ」 「雄二、もっともらしくそんなこと言わないで!全然フォローになってないから!」 そんなに頑なに隠そうとしなくても・・・もう遅いよ。 「っと、そろそろ時間だ。行くぞ明久」 「・・・くっ!と、とにかく、誤解だからね!」 まるで小悪党のような捨て台詞を残し明久と雄二は教室をでてった。
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