第十一問 『頼み事』

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「そういえば葉月、ここに来る途中で色々な話聞いたよ?」 「ん?どんな話だ?」 雄二が屈み込んで葉月ちゃんの目線に合わせる 「えっとね、中華喫茶は汚いから行かない方がいい、って」 確かにさっきまでクロスの下が汚かったけど、それはもう解決したはずだ。それなのに未だに噂が回っている。どうしてそこまで悪評が流れているんだろう 「ふむ・・・。例の連中の妨害が続いているんだろうな。探し出してシバき倒すか」 口元に手を当て、まるで確信しているかのように雄二は断言した 「お兄ちゃん、葉月といっしょに遊びにいこっ」 ギュッと葉月ちゃんに手を握られる。困った。普通に楽しむだけの学園祭だったらいくらでも一緒に遊んであげられるんだけど 「ごめんね、葉月ちゃん。お兄ちゃんはどうしても喫茶店を成功させなきゃいけないから、あんまり一緒に遊べないんだ」 言いながら葉月ちゃんの頭を撫でてみる 「むー。折角会いに来たのにー」 「それなら、そのチビッ子も連れて行けばいい。飲食店をやっている他のクラスを偵察をする必要もあるからな」 そこで雄二のフォローが入る 「んー、そっか。それじゃ、一緒にお昼ご飯でも食べに行く?」 「うんっ」 膨れ顔が一転して満面の笑みに。天真爛漫ってこういう子のことを言うのかな? 「じゃあ葉月、お姉ちゃんも一緒に行くね」 美波の口調がいつもとは全然違う。妹に対しては優しいお姉ちゃんでいるんだなぁ 「ふむ。ならば姫路と雄二も一緒に行くと良いじゃろ。召喚大会もあるじゃろうし、早めに昼を済ませてくると良い」 「そうか。悪いな、秀吉」 「いいんですか?ありがとうございます。木下君」
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