第十一問 『頼み事』

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・・・ 「ここだよ、真帆ちゃん」 俺らは2-Aの前についた 「なら早く行こうよ!」 真帆ちゃんは俺の手を引っ張っていく 「急がなくても逃げないよ?」 ガラガラッ 「お帰りなさいませー。ご主人様?」 出迎えてくれたのはメイド姿の友里だった 即座に店内を見渡すと雄二達を見つける 「はかったな!雄二ぃ!」 俺が来たメイド喫茶には全員集合という状態に近い状態だった 「くっくっく、お前なら来ると思ったよ」 「不知火って案外単純なのね」 「・・・」 単純か・・・ 「お兄ちゃんどうしたの?」 真帆ちゃんが心配そうに見上げてくる 「大丈夫だよ、だけど俺はここから出て行きたいんだ」 「えー、来たばっかりだよ?なにか食べようよ!」 う、幼女の上目遣いのお願いだと!? 俺は真帆ちゃんの頭に手をおいて 「そうだな、ならなにか食べてから出て行くか」 頼みを引き受けた 「裕介、その子誰なんだ?」 雄二が問いかけてくる 「学園長が案内を頼んできたんだ。名前は葵真帆ちゃんだ」 俺は席につきながらそう答える 「じゃあ、真帆ちゃんなに食べる?」 「『ふわふわシフォンケーキ』がいい!」 俺はなににしようかなと考えながらメニューを開くが 「なんなんだこのメニュー・・・」 メイドとの婚姻届しか書いてない 「では、『ふわふわシフォンケーキ』と『メイドとの婚姻届』が1つずつ以上でよろしいでしょうか?」 「おい、俺はなにも言ってない!」 そんな俺の言葉を無視し友里は去って行く ポンッ 誰かの手が俺の肩におかれる。俺はそっちを向くと (お前もか) 雄二の目がそう語っていた 「で?俺の平和を壊してなんの用だ?」
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