第十二問 『4回戦』

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・・・ 『とにかく汚い教室だったよな』 『ま、教室のある旧校舎自体も汚いし、当然だよな』 あの連中はなかなかしつこいみたいだ、まだいるとは思わなかった。 さて、ここまで来てしまったし手伝ってやるかな。 「はぁ・・・」 「お客様」 「なんだ?ーーへぇ。こんなコもいたんだな」 「結構可愛いな」 舐めるような視線が俺にもまとわりつく。 やめてくれよ気持ち悪い。 「お客様、足元を掃除しますので、少々よろしいでしょうか?」 「掃除?さっさと済ませてくれよ?」 2人が席から立ち上がる。 「ありがとうございます。それではーー」 「ん?なんで俺の腰に抱きつくんだ?まさか俺に惚れて」 「くたばれぇぇっ!」 明久がバックドロップを決める。ちなみに、俺は近くで見てるだけね。 「き、キサマは、Fクラスの吉井・・・!まさか女装趣味がーー」 「こ、この人、今私の胸を触りました!」 明久が応援を呼ぶ。 「痴漢です!誰かー!」 俺は明久に便乗しといた。 「ちょっと待て!バックドロップする為に当ててきたのはそっちだし、だいたいお前は男だとーーぐふぁぁ!」 「こんな公衆の面前で痴漢行為とは、このゲス野郎が!」 雄二が先輩を殴り飛ばしながら痴漢退治という大義名分で登場。 「何を見ていたんだ!?明らかに被害者はこっちだろ!」 倒れてる坊主の先輩に代わりモヒカンの先輩の方が雄二にくってかかる。 「黙れ!たった今、コイツはウェイトレスの胸をもみしだいていただろうが!俺の目は節穴ではないぞ!」 え?節穴じゃね? 「ウェイトレス。そっちで倒れている男は任せたぞ」 俺は目をつけられたくないので明久に任せる。 「え?あ、はい。わかりました」 明久はなぜか坊主の先輩の頭に瞬間接着剤でブラをつけた。 「さて。痴漢行為の取調べの為、ちょっと来てもらおうか」 雄二がモヒカンの先輩に指を鳴らしながら近づいて行く。 「くっ!行くぞ夏川!」 「こ、これ、外れねぇじゃねぇか!畜生!覚えてろ変態めっ!」 俺もその変態にはいってるのかな・・・ 俺はまた軽く鬱になった。
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