第十二問 『4回戦』

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坊主の先輩は頭にブラをつけたまま走り去っていった。間違いなく変態だ。 「逃がすか!追うぞアキちゃん、ユウちゃん!」 「了解!でもその呼び方は勘弁して!」 「はいはい」 俺も明久と雄二に続いて走り出そうとするが、 「ゆう君はいったら駄目」 手をつかまれ俺は止められた。 「俺はなんかつかまったから、2人頑張ってねー」 「おう!」 「頑張ってくるよ!」 「で?なんで止めたんだ?」 俺は手を掴んできた友里の方を向く、 「ゆう君すごく似合ってるね。雄二が言った通り今はゆうちゃんだよ」 意味がわからない 「お兄ちゃん、すっごく美人さんだね」 言っておくが、褒められても微塵もうれしくない。 「なぁ、もう用事は終わったしまずは着替えてくるよ」 俺は一刻も早く着替えたい。 「えー、もったいないよ」 真帆ちゃん・・・なにがもったいないんだ・・・ 「あ、それは無理ー」 は? 「友里なにが無理なんだ?」 「いや、だから着替えるの」 俺はそれを聞いた瞬間ダッシュでこの部屋から出ようとするが、 「・・・待ちなさい、裕介」 今度は翔子に立ち塞がられた。 なぜ翔子まで邪魔してくるんだ? 「おい、翔子なぜ俺の邪魔をする」 「・・・次の試合のが近い。いなくなったら友里が困る」 「だから?」 「だーかーらー、もうすぐ試合なんだって」 「なら俺は着替えてくるよ」 「人の話は最後まで聞きなさい!」 友里が手刀を俺の頭に落とす。痛い。 「試合はもうすぐなの!だから着替える暇なんてないの!」 そういうことか・・・
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