一日目:賑やかで騒がしい

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場所と時は移って、林檎と杏の教室。 林檎は教室に入るなり黒板消しを持つと、それをドアに設置して黒板消しトラップを設置した。今は林檎と杏が二人でトラップの行く末を見守っている。 「なあ、林檎。一つ質問いいか?」 「うん」 「黒板消しトラップってさ、ドア微妙に開いてるから何気に気付かないか?」 そうなのだ。黒板消しトラップというのはどうやってもドアが微妙に開く。それもなぜ開いているのかと思うくらい大きく。もし仮にトラップにひっかかる前にトラップの存在自体が見つかってしまっては元も子もない。 「うーん、大丈夫じゃないかな」 「根拠は?」 「みんなそんなに上を気にしながら生きてるわけじゃないさ」 「……なんか、妙にいいこと言ってるように聞こえるな」 「えへへ、ありがと」 そんなこんな話しているうちについにドアが開かれた。ドアという支えを失った黒板消しは重力に逆らうことなく自由落下の形を取り、そして一人の女子生徒の頭にぶつかった。 ……しかも、黒板にかかれた文字を消す柔らかい部分ではなく、裏の固い部分が。 「やったー! 引っかかったー! やったよ杏ちゃん!」 「わかったからとりあえず被害者に謝ってこい」 「あ、うん」
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