一日目:賑やかで騒がしい

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「……んー?」 (起きた!?) 林檎が机から顔を離す。かなり本気で寝ていたのか目もまともに開けられず、まどろんでいる。 (あああああ林檎ちゃん怒られちゃうよどうしよう) ともかく、こっそり読む範囲を教えよう。そう思って林檎に顔を近づけた瞬間。 「……つまり数値的には変動していないのだが、相対的に減少しているように見えるのだ」 「そうだな。右下のグラフを見ればわかるように……」 完璧な答えだ。普通に授業を聞いていればわかる部分なのだが、さっきまで寝ていた林檎が全く、何一つの迷いもなく答えたのだ。ざくろはさっきまでの焦りと今の驚きのせいで妙な体勢のまま固まる。林檎はその後の授業を聞く気がないのか、再び机に突っ伏して目を閉じる。 「…………」 姿勢を直す。恥ずかしい。悪戦苦闘した結果空回りしたのだ。もし誰かに見られていたらと思うと、とても恥ずかしい。 (……なんなのよおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!) 心の底からの叫びを、心の中であげる。とてもやるせない。真っ赤になっているであろう顔をなるべく隠しながら、板書されている内容をノートに書き写した。
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