花見

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「つか湊が来たんだ、飲むぞ!!」 「お前はおっさんか…」 「早坂さんはこっちね」 「え、あ……はい…!!」 「また後でな~」 私と野宮さん、羽柴君と大山君の二つに分けられてこれからは行動するみたい。 不安が頭をかすめたとき偶然羽柴君と目があった。 すると羽柴君の口がぱくぱくと音にならない言葉を紡いだ。 「(頑張って!!)」 さっきから繋がれたままの手がまた引かれる。 正直大人数に見られていると考えるととても恥ずかしい。 しかも周りは話したこともない人だらけ。 そんな中一人でも話したことがある人の存在を、この手の温もりを感じていると安心する。 「(頑張る…)」 羽柴君の応援が、野宮さんの手の温もりが、私に力をくれる。 気のせいかもしれない。 勘違いかもしれない。 でも、いつも後ろ向きな私が今は前向きになれている気がする。 「(友達作るんだ…!!)」 『作りたい』んじゃない。 絶対に作るんだ。 「いたいた!!アヤー、ユカリー!!」 「!!」 いよいよ行動する時。 私は野宮さんに気づかれないようにそっと呼吸を整えた。
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