花見

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「(私も、自己紹介しなきゃ…)」 声が上手くでないかもしれない。 大事なところで噛んでしまうかもしれない。 後ろ向きな私は今この時も泣き言を言い続ける。 今までならそれを理由に逃げていた。 でも、今は違う。 「(……応援してくれた…)」 今まで頑張れば頑張るほど非難され、頑張ることが出来なくなっていた私に。 『頑張って!!』って、頑張ることを応援してくれた。 嬉しくて、本当に嬉しかったから。 だから、その嬉しさを力に変えて頑張るから。 「――…早坂雫です。その、わ、私と……」 今だけでも良い、後ろ向きな私。 静かにして…!! 「と、友達に……なってくれませんか…!?」 その場を満たす静寂が答えを聞くまで息苦しくて仕方がなかった。
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