7人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
時間にしたらきっと三秒も経たないくらい。
それでも私にはすごく長く感じて。
すごく怖かった。
断られることが、突き放されることがとても怖くて。
そう感じていたらいつの間にか私は目を思いっきり瞑ってしまっていた。
「――…うん、よろしくお願いします」
耳に届く羽柴君の声。
そしてその言葉。
私の頭に全部届くまで少し時間がかかったけれど、ちゃんと伝わった。
羽柴君が、私なんかの友達になってくれた。
「あ、ありがとうございます…!!」
思わず胸の前を右手で押さえてお礼を言う。
右手に伝わる私の胸の音は凄く速くて。
すごく緊張していたんだって改めて私に実感させてくれた。
「あはは、何かオレ早坂さんにお礼言われてばっかりだね?」
「あ、ご、ごめんなさ…!!」
「いや、そういう意味じゃなくて」
確かに謝られるのも感謝するのもされ過ぎればウザい。
慌てて謝ろうとすると手を横に振って『違う』と伝えられた。
……それじゃあどういう意味なんだろう?
最初のコメントを投稿しよう!