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あの花見から1ヶ月が経とうとしている。
今では野宮さん達以外の子とも少しは話せるようになった。
ここで重要なのはちゃんと会話が成立してるというところだった。
「雫は体育祭何に出る?」
「体育祭ですか?」
「そろそろあるじゃん、クラス対抗の体育祭!!」
「文化祭もね」
「てか今日の午後は全部その話し合いでしょ?」
私達の学校は体育祭と文化祭を殆ど同じ時期にやってしまう。
間に一週間あるのだけど、そのうち一日は校内の装飾に全校生徒がかり出される。
それに明日から授業免除で体育祭と文化祭の準備になる。
まあ、体育祭が終わるまで文化祭の準備活動はあってないようなものだけど。
「やっぱり体育祭に出るからにはリレーとか出たいな~!!」
「あたしはパス。汗かきたくも、ましてや日焼けもしたくない」
「私は運動苦手だから文化祭の方が楽しみかな?」
「雫は?体育祭?それとも文化祭派?」
話題をふられてから少し考える。
運動は、そんなに得意じゃないけど嫌いってわけでもない。
文化祭は……一体何をするんだろう?
「文化祭は、何をするんですか…?」
「うーん、まだ決まってないから分からないけど……喫茶店とか?」
「お化け屋敷とかね」
「去年は作品展示だけだったから凄く楽しみだよね~」
「喫茶店…」
飲み物とか……ケーキとか出すのかな?
………。
駄目だ、ケーキのことしか考えられない。
「雫?」
「……ケーキのことで頭いっぱいだったりして」
「!!」
「図星か」
「きゃー、何この可愛い生き物!!」
そう言って私に抱きつく野宮さん。
……うん、1ヶ月も経とうとしている今じゃ野宮さんのスキンシップにも慣れてきた。
慣れて良いものか少し悩むけど。
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