体育祭

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そのまま羽柴君は自分の席にいることになった。 でも話すのに不便なので席に座らずに窓のところに寄りかかる形で南條さんと坪倉さんが私と野宮さんの間に座る。 というか、女子だらけのところに羽柴君はいても平気なのかな? 私だったら逃げ出すけど…。 「何?」 「……………あの、羽柴君は…友達の所に移動したりしないんですか?」 結局悩んだ末聞くことにした私。 だって、羽柴君の目が凄く優しく私を見てきて。 だけど何か、聞かないと逆に怒られそうな気がしたから。 うん、気のせいかもしれないけど……ちょっと怖かった。 「やっぱり早坂さん…」 「ち、違います!!羽柴君は此処に座っていただいて構いません!!」 「冗談、冗談」 そう言って楽しそうに笑う羽柴君。 ま、またからかわれた…!! 「友達のところか……」 「?」 「――早坂さんもオレの友達でしょ?」 笑顔のまま羽柴君は私を見た。 何だか、ちょっとだけその笑顔に苦笑が混じっていた気がした。 「違う?」 「あ、合ってます…!!」 「そっか、良かった!!」 今の笑顔は苦笑が混じった感じはしない。 ……気のせいだったのかな。 「あ、男友達ってことなら心配いらないから」 そう羽柴君が言い終わるか終わらないかぐらいのタイミングで羽柴君の前の席がどかっと音を立てた。
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