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しばらく考えながら見ていると羽柴君が気付いたようで首を傾げてきた。
……やっぱり目を合わせてくれる。
反応だってしてくれているし。
でも野宮さんが嘘を言っているとは思えない。
なら今の羽柴君がいるのって…。
「……?早坂さん?」
「(想像しか、出来ないけど…)」
今の羽柴君がいるのは、もしかしたら大山君と野宮さんのおかげなんじゃないかな?
だから大山君のことを羽柴君は『親友』っておもっているのかも……なんて。
……全部私の想像だけど。
「羽柴君……大山君と親友になれて嬉しかったんですよね…?」
「!?」
「だから大山君達には本音で話を…す、る……?」
結論を羽柴君に伝えてみると途端に固まってしまった。
はい、見事に固まってます。
思わず最後まで言えずに私まで固まってしまうくらい。
「ぶはっ!!!!」
横から聞こえた野宮さんの盛大に吹き出した声。
見てみるとお腹を抱えてこれまた盛大に笑う野宮さんと、口元を片手で押さえ声を押し殺して笑う坪倉さん。
南條さんは「ほほほ」と控えめにだけどやっぱり笑ってる。
「あは、あははははっ!!ひ、ひぃ…、腹が、捩れ……!!」
「シン!!笑いすぎだっつーの!!」
「そうか!!やっぱりオレと親友になれて嬉しかったんだよな!!」
「やっぱりってなんだよ!!だー!!くっつくな!!」
「し、雫…ナイス!!」
「は、はい…?」
何がナイスなのかは分からない。
……うん、でも真っ赤な顔をした羽柴君が見れたことにちょっと得した気分かも。
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