体育祭

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「こらーっ!!そこ、話し合いはもっと静かに!!」 そこへクラスの委員長さんが私達をチョークで指しながら言った。 ごめんなさい、とその場にいた全員で謝れば委員長さんはまた話し合いの中へ。 ちらっと羽柴君を見るとまだ少しだけ赤い頬を擦るように腕を動かしていた。 ………何か、ネコみたい。 † † † 『早坂さんは必要な道具の発注を生徒会に頼んできてもらえますか?ここに書いてあるので』 「――……結構多いかもしれない…」 まさか一人で全部運べというわけではないと思う。 もし運んでくるのまで仕事というなら正直無理だ。 量よりも大きさと重さ的に。 「(装飾係りならみんなで活動だから一人にならない、って野宮さん言ってたのに…)」 私、速攻で一人になったのですが。 まさか野宮さん狙ってたわけじゃないよね? 「(……他のクラスも騒がしいなぁ…)」 一人でいるときは周りの音がよく聞こえる。 人と人が話している声。 風が吹く音。廊下に響く足音。 「……あ…」 私の小さな声ですら響く静かな世界。 普通なら寂しいと思うのかもしれない瞬間。 ……でも私は別に苦手じゃない。 むしろ楽だと言えるくらい私は一人――この空間に慣れているという悲しい現実。 ――…去年までの日常に戻ったと思えばどうってことない。 「(――…あ、生徒会室)」 ……早く終わらせてしまおう。 これ以上一人でいたら本当に戻ってしまいそうだ。 一人に慣れきって、感情を遮断して、自分を無くそうと必死になったあの私に。 特進科時代の私に――!! 「――…早坂?」 「!?…た、きぐち……くん…」 生徒会室に入って最初に見たのは、去年までのクラスメートだった。
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