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周りが知らない人だらけの去年と違って、二年生は部活などで出来た友達がいる。
だから教室に入れば一気に周りが騒がしくなるなんて予想できていたけれど、自分で想像していた以上に騒がしかった。
「(私の席は……)」
名簿順なら『早坂』は中間から後ろくらいの席。
でも座席表に私の名前は見当たらない。
もっと後ろなのかと目線を下げてみると窓側の一番後ろに『早坂雫』の文字。
どうやら今回のクラスは男女共にハ行より後の頭文字から始まる名字がいないらしい。
「(後ろなら、静かにしてれば大丈夫だ)」
黒板も見えるし、何より端ということもあって人とほとんど関わらなくて済む。
友達という友達がいないクラスでこの席になったのはラッキーだと思った
「(早く席に……!?)」
来る時間はいつも通り少し早めだから教室にいる人数は四十人中たったの十数人。
なのに私の隣の席の人はもう登校してきていただけでなく周りを数人に囲まれている。
必然的に私の席もその数人の方達に座られているわけで。
「(座れない…!!)」
ラッキーだと思っていた席はとんだ貧乏くじだった。
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