第一印象

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HRが終わって十分間の休み時間。 今日はこの後春休み明けのテストがある。 科目は国語(古典)・数学・英語の三科目。 全て午前中に行われ、午後は帰宅するか入学式の手伝いだ。 「(係になってないから帰ればいいよね…)」 入学する兄弟のいない私が入学式に興味を持つ理由もない。 いたからといって残っていたかといえば肯定は出来ないけれど。 「ね?」 「!?」 「あ、驚かせたかな?ごめん」 「…だ、大丈夫です…」 物思いにふけていると隣で私を呼んだらしい彼と目があった。 なんというか、この席は凄くドキドキしたり不安になったりする席だなと思う。 心臓壊れたりしなきゃ良いけど……。 「自己紹介まだだと思ってさ。さっきHRの時みんなやってたんだけど…」 「そ、そうだったんですか…?」 「早坂さんずっと考え込んでたから気付かなかったみたいだけどね」 「ご、ごめんなさい…」 「だから自己紹介。オレは羽柴湊」 「早坂雫です…」 「よろしく」 「えっと………よ、よろしくお願いします…」 深々とお辞儀するとニコッと笑顔を向けられて思わず怯んでしまう。 何か、最近こんなに爽やかな笑顔向けられたことがなかったから違和感を感じた。
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