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「悪いけど…今日先約が
あるんだよね。」
神岬は申し訳なさそうに言う。
「えーー。」
“先約”
まさか神岬の口からそんな言葉
が出るなんて思わなかった。
しかもその先約は
…私だ。
でもこんなことであいつに
ときめいたりなんてしない。
絶対に…。
あいつと共有する悲しい記憶。
私の中には
もう会うことのかなわない
忘れられない1人が
いるから…
なんて考えながら
チャリキーを振り回し
自転車置き場に向かう。
私に部活に行くという
選択肢はないに等しいから
今日は大人しく帰ることにする。
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