117人が本棚に入れています
本棚に追加
そのとき…
コツンっ
結奈の足元に消しゴムが
転がってきた。
・・・・
「川瀬さん。すみません。」
眠そうな目をこすりながら
いつのまにか起きていた神岬が
目の前に現れる。
にっこり謝る彼の姿が誰よりも
怖く感じた。
いつもの“営業スマイル”。
神岬はひょいっと消しゴムを
拾うと…
『おい。』
結奈の髪をいきなり
引っ張った。
『なっ//』
それからみんなには聞こえない
小さな声を耳元で
『おまえ、気づいてんなら
起こせよばーか。』
ぽそっとつぶやいた。
その言葉に体がビクンと
なる。
…たぶん私以外誰にも
聞こえていない。
最初のコメントを投稿しよう!