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再会
俺は幼なじみのかおを見たくて仕方なかった。そして色んな話しをして、相談にも乗ってほしい。
「ラベリア、今頃どうしてるかな?」
独り言を言いながら黙々と作業を続けていた。
今日は、作った魔法石を売る日になっていたので、人を待つことにした。
「シュウ兄さん!お客さんよ!」
マリアの声がしたので玄関に向かった。
「シュウさん。魔法石の出来はどうですか?」
俺の知った顔がそう言ってきた。
「あぁ、何時もと変わらないよ。」
俺は笑顔で答えたが、内心怒っていた。
俺の工房を燃やしたのがこの客だと一目で分かったからだ。
あの時残っていた魔力はこいつの物だ。
俺はこいつに魔法を余り使えないと言っているので、きっと燃やした犯人は分かってないと思っているだろう。
「今日は幾つ売れますか?」
「そうだな…雷の魔法石が百。炎の魔法石が百だな。」
俺は淡々と言って箱に百づつ入れて持って行く。
「いくらになります?」
「そうだな…全部で三万ガリオン。」
「三万…!」
ちなみに一ガリオンは約三十円だ。
「まぁ、無理なら帰ってくれ!」
俺はそう言って魔法石が入った箱を持って行こうとすると客が呼び止めた。
「わ、わかりました!買います!」
俺はその言葉を聞いて俺は一瞬だけニャッと笑った。
「まいど~!」
俺はそう言って箱を渡し三万ガリオン受け取った。
「あ!そうそう!」
俺は客の帰り際に言った。
「もう、とやかく言わないけど、やるなら分からないようにやった方が良いぜ!」
客は背中をビクッとさせて早足で帰って行った。
夕方、玄関のドアをノックする音がしたのでドアを開けた。
「ラベリア!どうしてここへ?」
俺の家の玄関にラベリアがいたのだ。
「昨日の襲撃事件でこの町外れを巡回する命令が出たのよ。ついでにここに顔出したってわけ。」
彼女は右手で長い髪を後ろへ払い言った。昔と変わらず白い肌をしていた。
「そうだったのか。しかし、凄く久しぶりだな。まあ、上がってくれ。妹も喜ぶだろうから。」
俺はそう言ってラベリアをリビングに通した。
「ラベリアお姉ちゃん!」
マリアはそう言ってラベリアに抱き着いた。
「マリアちゃん!見ない内に大きくなったわね!」
ラベリアも嬉しそうに言った。
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