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「検討してみるか…」
俺はそう言って脇に置いていたショートソードを掴んだ。
「ラベリア、手合わせしよう。」
「え…あ…うん。」
俺が突然言うもんだからラベリアはオドオドして言った。
外に出て魔法で手合わせの合図を空に飛ばす。これで兵士は来ない。
「行くぞ!」
俺はそういって走りながら剣を抜き、ラベリアに切り付けたが。
「キィン」
ラベリアは抜刀しかけの剣で受け止めた。
「早い!」
俺の剣を跳ね退けながらラベリアが言う。
「これならどうだ!?」
跳ね退けられた勢いを乗せて右に周りながら切り付ける。
「キィン」
これも防がれた。
「流石シュウ!剣の重さが違う。」
片目を閉じて、顔を歪ませて言う。
「でもっ!」
そう言って彼女はまた俺の剣を払いのけ、グラ付いた俺に剣を振り下ろす。
「スパッ」
間一髪で俺は避けたが服一枚切られていた。
「ラベリア…手合わせなのに本気で殺そうとしただろ?」
俺はジト目でラベリアを見る。
「あ、いゃ…わざとじゃないから。」
日々材料集めで培った体力と瞬発力だからこそさっきの一撃をかわせたのだ。
「普通の、そこいらの兵士だったら今のであの世行きだぜ?」
俺は笑いながら言う。
「あははは…」
苦笑いをしている彼女を見て、俺は急に可笑しくなって笑い出した。
「わ…笑わないでよ!」
ラベリアは顔を赤くして言った。
「わ…悪い悪い…急に笑いが出てしまった。」
俺は剣を収めて言った。
「もう終わり?」
ラベリアは物足りないというような顔で聞いた。
「今日はこれくらいにしよう。」
俺はそう言って家に入りながら付け加えた。
「また明日な!」
一瞬彼女の顔が見えた。ムスッとしていた。
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